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ネットへの書き込みが本になったときどんなメリットとデメリットがあるの?

time:2008/12/29

ネット上の書き込みを勝手に書籍にしたことで、裁判になってしまった「ホテルジャンキーズ事件。でも、そうはならなかったケースもある。

2007年に放映された『今週妻が浮気します』というフジテレビのドラマを覚えているだろうか? 同名の小説をドラマ化したものだが、あれもネット上の書き込みから生まれた作品である。

ハンドルネーム“Go-Ahead”さんが、とあるQ&Aサイトに「今週、妻が浮気します。夫としてどうすればいいでしょうか?」という相談を書き込んだ。そこから、相談者のせっぱ詰まった状況や真摯な態度に、数十人のネットユーザーが心を動かされ、多くのアドバイスや応援メッセージを書き込む状態となった。このやり取りが後に書籍化され、テレビドラマにまでなったのである。

そのGo-Aheadさんに書籍化されたときのお金のことについて聞いてみた。

「そういうのは一切ありませんでした。最初に印税関係はすべてサイト側に入ると言われましたが、気にしていませんでした。そもそもお金のために書いたものではないし。サイト上で相談して、多くの人が応えてくれた。ただそれだけです」

そんなGo-Aheadさんも、書籍化を聞いたときは、かなり迷ったとのこと。なにせ内容が妻の浮気だ。しかし、発行部数が数千部と聞いて、その程度ならあんまり人目に触れることもないだろう、とOKしたそうだ。ところが同書は発売してすぐに増刷を重ねることになった。

「5万部までは聞いているけど、それ以降は何冊刷られたか調べていません」

「お金儲けのために書いたものじゃない」と繰り返すGo-Aheadさん。でも、そんなに売れたのなら何かしらの支払いがあってもいいような気がするのだが…。

「書籍の巻末に、僕自身が“あとがき”を書いたのですが、サイト側から謝礼として3万円を支払うといわれたんです。お金の話が出たのはそれが初めてで、急に複雑な気持ちになって、断ったんです。すると、3万円が20万円になった(笑)。でも受け取りませんでしたけどね」(Go-Aheadさん)

その後『今週妻が浮気します』はテレビドラマにまでなるのだが、このときもドラマ化してもいいかどうかを聞かれただけだったらしい。

今後も著作権の主張はしないと話すGo-Aheadさん。でも、ひとつだけ心に引っかかっていることがある。それは「今週妻が…」に関してお金の話など一切していない段階で、サイトの関係者から「あなたは投稿を繰り返した数十人の1人に過ぎないのですよ」と釘を刺すようなことをいわれたこと。さすがに「カチンときた」という。

ネット上の書き込みを書籍化したものであっても「ホテルジャンキー事件」と『今週妻が浮気します』とでは、ずいぶんと違う結末になった。必ずしも著作物の出版を許諾を得ることに、お金の支払いを伴うとは限らないのはGo-Aheadさんの件の通り。

どちらの件にも、それぞれの事情があって単純には比較できないが、きちんと相談した上で出版した、というところだけは明確に違うのだ。まあ、Go-Aheadさんの話を聞いていると、サイト側の対応もビミョーなところがある感じだけど…。

これまで一般の人は情報を受け取るだけの立場だったが、インターネットはそれを根底からひっくり返した。つまり、すべてのユーザーが情報の「発信者」になる可能性があるのだ。Go-Aheadさんも、ある日突然「受け取る側」から「送り出す側」になった人。

これを読んでいるあなたも、いつそうなってもおかしくないよ。ということで「著作権」について知っておくことは、これからの時代、大切なことなのである。
(R25編集部)